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内外の優秀人材確保策―SNS活用、英語で発信


企業のブランド価値は、企業活動に関わるすべてのステークホルダーに影響を及ぼします。今回は高いブランド価値を持つ2社へのインタビューを通し、国内外の優秀な人材を確保・育成する際に、その価値をどのように活用しているかについて紹介します。

回答企業(回答者)は以下の通り。

○サントリーホールディングス(グローバル人事部部長の田中憲一氏)

○監査法人トーマツ(アドバイザリー人事・Talent執行管理者の飯塚智氏)

【1】自社のブランドイメージが採用活動に与える効果について

サントリー 国内では消費者をはじめ多くの人々に対してブランドイメージが浸透している。入社志望者の多くは、広く知られた創業者精神や歴史、企業理念に共感しており、それらが優秀な人材を呼び込むことに大きく貢献している。欧米でもイメージが徐々に浸透し、グローバルでもキャリアパスを得られることが認知されている。

トーマツ 世界展開するデロイトグループのメンバーとして、監査業務や企業の経営課題に関する専門的サービスを提供している。社会的責任を果たすブランドイメージが浸透している。

組織はグローバルでの一貫したビジネス区分に従っており、全世界で均一のサービスを提供するために国内/国際部門の区別がない。人材はグループ内で活用され、多様なキャリアパスが得られることが知られており、それが優秀な人材にとっての大きなモチベーションになっている。

【2】新卒者の採用条件(両社ともに『自社のブランド価値の根底にある企業理念を共有できる人』としている)。

サントリー ビジネススキルは入社後に習得できる。挑戦心や利他の心に象徴されるマインドセット(思考様式)と人間性を評価する。

トーマツ 第三者としての公正な立場を保持し、経済社会の発展に貢献したいというマインドセットを評価する。

【3】ブランド価値を向上させる人材育成について(両社ともに『日々の業務の中で企業理念を体現できる人材の育成が価値の向上につながる』としている)。

サントリー 理念教育の実施とともに、企業理念を意識した日々の業務や全社員が参加する企業の社会的責任(CSR)活動を推進している。

トーマツ 法人内の各パートナーや従業員がビジネス相手に対して常に公正・誠実な態度で臨み、有益なサービスを提供できることを重視した育成を推進している。

   ◇   ◇

これらの取り組み以外の情報発信について。

企業のホームページで自社の理念や活動について言及することには、一定の効果が見込めますが、すでにその企業に関心を持っている人たちにしか伝わりません。

また日本について詳しくない優秀な外国人は、日本企業について言語や文化の壁を感じ、仕事も大変という否定的イメージを持つ場合が多く、就職先の優先度を欧米企業よりも低くしがちです。

そのような状況を変えるためには、交流サイト(SNS)上で自社の歴史や企業理念について積極的に表明したり、日本語ができなくても活躍している外国人スタッフの日常業務についてのショート動画を公開したりするなど、世界の若い世代に向けて、自社の実態について英語で頻繁に情報発信することが効果的だと思います。

ウズベキスタン出身。サマルカンド国立外国語大学で英語・日本語言語学を修了。人材開発・人事システムコンサルのSOPHYS(ソフィス、東京・新宿)を設立、日本企業や外資系企業の人材育成を手掛ける。




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