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進むべき方向性を具体的に



日本経済新聞(日経新聞)にて、#グローバル #イノベーション と人材育成戦略に関するコラムを執筆中です。日本経済新聞(日経新聞)で5年近く連載しています。

本日掲載された私の #記事 を紹介したいと思います。


今回は、多くの日本企業でイノベーション活動(#スタートアップ へのシナジーパートナーシップへの投資、#アクセラレーションプログラム など)が思うような成果を上げていない理由を分析し、その問題解決のためのアイデアを共有しました。

私たちトラステッドは、日本企業がイノベーションの基盤を構築したり、欧州のスタートアップのエコシステムに関わる具体的なプロジェクトを実行するのを支援する活動を通じて、多くのCEOや経営者が、明確な実行可能なイノベーションのビジョンや戦略を示さずに、イノベーションチームにスタートアップと何か革新的なことをするよう求めていることに気づきました。


このように、イノベーションチームは、どのようなプロジェクトに取り組むべきか、自分たちの思い込みに基づいて最善を尽くし、次の予算を獲得したり、他の部署の同僚をプロジェクトに巻き込むのに苦労し、結局すべてを自分たちだけでやり、燃え尽き、努力に対する具体的な結果が見えないためにモチベーションを失ってしまうのです。

大企業のCEOやエグゼクティブの皆さんへのメッセージは、まず自分たちで行動し、国内外の様々なイノベーション・エコシステムを訪問し、エコシステムのメンバーから直接最近のトレンドをキャッチアップし、イノベーション・ビジョンを明確にして、その実現に向けて社内外の協力者となりうる人物を巻き込んでいくことです。(株式会社トラステッドでは、EUでの視察のアレンジやイノベーションビジョンの可視化のお手伝いをいたします。)

詳しくは、コメント欄の記事本文をご覧ください。

また、ご興味のある方は、お気軽に記事をシェアしてください。

ありがとうございました。


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本文


多くの企業が中期経営計画などで新しい事業軸やイノベーションの創出を標榜し、新規事業やスタートアップへの投資など新たな試みをするも、結果としては二極化しています。うまく社内を巻き込み、新しい価値を創出し新事業の創出ができている組織がある一方で、社内を巻き込めず外部連携もうまくいかず挫折しているところも多く見受けられます。その差異が生じた原因について掘り下げ、解決の方向性を提言したいと思います。


ありがちなのは、新規事業創出のために一度はコーポレートベンチャーキャピタルを設置し、アクセラレーションプログラムや社内事業提案プログラムなどを実施しても、3年ほどすると「成果が出ないものはやめるように」「ウチがやる必要があるのか」ということで新規事業担当が企画したプロジェクトに終止符が打たれるという流れです。幹部だけが入れ替わり、再度、新規事業やイノベーション創出の標榜を繰り返してしまうのです。

理解しなくてはならないのは、イノベーションは偶発的に起きるものではありません。現状維持を禁忌とする企業が未来の進むべき方向性を示し、粘り強く幾多のトライアル・アンド・エラーを経た後に手にできる果実であるということです。

独高級車メーカーのポルシェは莫大なスタートアップへの投資やイノベーションオフィスの設置という取り組みとともに、革新および先行開発管理部門を設置し、ポルシェの未来設計を行い、アイデアと技術の統合と事業化を企画立案し続けています。その企画立案の軸はポルシェの歴史が培ってきたブランドだといいます。

国や産業などの相違を勘案しても参考にすべきこととして、新規事業やイノベーションに着手する前に、経営幹部はどの方向で新規事業やイノベーションを起こすのかをはっきりさせることが重要です。これが欠落すると、スタートアップへの投資やアクセラレーションプログラムも偶発的イノベーションに頼ることになり、無駄な経営資源の投入や企業ブランドのブレにつながります。


具体的には開発部門、営業部門、顧客の声や、最新技術、マーケティングなどあらゆる方面の情報収集を行い、その上で新規事業やイノベーションの方向性を示す必要があります。「イノベーションが起きない」という企業のほとんどは、この方向性を示せていない中で、スタートアップのユニークな技術を調査するという暗中模索を繰り返してしまっているのです。

方向性を示せていると思っても、それは事業領域や技術調査などの各論であることも少なくありません。有機体である企業として社会の中でどのような価値を提示するのか、未来にどのような貢献をするのか、企業の存在価値まで遡及した上での総論的方向性を示せておらず、結果として社員が熱意を傾けるまでには至ってない場合もあります。

まず、経営幹部が自社の未来の方向性を具体的に示すことが必要です。外部の価値観、世界のトレンド、イノベーションを肌で感じた上で、自社の未来の存在価値について理論面・感情面で理解し、熱意をもって全社に語れるようになることが重要であり、これこそがイノベーションの第一の要諦です。


ウズベキスタン出身。サマルカンド国立外国語大学で英語・日本語言語学を修了。人材開発コンサルのSOPHYS(ソフィス)とグローバル事業開発支援のTrusted(トラスティッド)を東京で設立。

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